グローバル・ポジショニング・システム(GPS)

グローバル・ポジショニング・システム(GPS) は、衛星を利用した無線の測位ナビゲーションであり、時間伝達を行うシステムです。これはアメリカ国防総省により設置されたもので、精度のレベルには2段階あります。標準測位サービス(SPS:Standard Positioning Service)および精密測位サービス(PPS:Precise Positioning Service)です。PPSは暗号化され、権限のあるユーザー(軍関係者)でなければ利用できませんが、SPSは一般のユーザーも利用できます。

Sistema de Posicionamiento Global (GPS)

GPSは、衛星からユーザ受信機へ送られた正確な信号伝搬時間を測定します。高度2万キロの6軌道面に21の衛星と3つのアクティブな予備衛星があり、少なくとも4つの衛星が地球のどの地点においても24時間見渡せる位置にあります。受信機の位置座標(x,y,z)とGPSシステムからの受信機クロック・オフセットの双方を計算するには、最低4つの衛星を同時に受信する必要があります。すべての衛星は管制局で監視・制御されており、正確な軌道パラメータと衛星のオン・ボード原子時計のクロック・オフセットを決定しています。これらのパラメータは、衛星へアップロードされ、ナビゲーション・メッセージの一部となり、ユーザの受信機に情報を送るために、再度衛星から送信されます。

衛星の高精度軌道パラメータは、軌道暦パラメータと呼ばれ、他の精度の低いパラメータの総体のことを衛星暦と呼びます。軌道暦パラメータは受信機の位置とクロック・オフセットの計算をするため利用されるのに対し、衛星暦パラメータは、ある受信機の位置、時間によってどの衛星が捕捉できるかを確認するために使われます。どの衛星も、その衛星自身の軌道暦パラメータと、すべての衛星の衛星暦を送信します。

GPSシステム時間は、うるう秒(GPSが始動した1980年以降UTC時間スケールに組み込まれている)の分だけ、ユニバーサル・タイム・スケール(UTC)と異なっております。現在のうるう秒数は、衛星が提供するナビゲーション・メッセージの一部となっているため、受信機内部の時間はUTCに基づくことになります。サマー・タイムの扱いを含めた現地時間への変換は、利用者がパラメータの設定することで、受信機側のマイクロプロセッサによって行われます。